製造業DXの現在地 ― Japan IT Week / Japan DX Weekを見て

2月25日〜27日にポートメッセなごやで開催されたJapan IT Week/Japan DX Week に行ってきました。

今年のキーワードは、やはり「AI活用」。
どのブースでも「AIで効率化」「AIで自動化」という言葉が並んでいました。
展示会全体を通して感じたのは、DXはすでに「導入フェーズ」から「どう定着させるか」のフェーズ に入っているということです。

AIツールは揃いつつあります。
しかし、それを

  • 誰が使うのか
  • どう教育するのか
  • どう継続するのか

ここまで作り上げなければ、形だけのDXになってしまいます。
製造業DXとは、ツールの導入ではなく「現場の仕組みを変えること」です。

今回の展示会は、その現在地を確認できる機会でした。
そんな視点で、特に気になった展示を紹介します。

1)tebiki ― 属人化を崩すDX

製造現場の教育を動画化する仕組みです。
製造業の大きな課題は、「ベテランの暗黙知が言語化されていないこと」。

ノウハウはある。でも、うまく引き出せない。
マニュアル化には膨大な時間がかかる。

tebikiは、この壁を“動画”という手段で越えようとしています。
DXとはシステム刷新だけではなく、“知識の共有方法を変えること” でもあります。

人材育成こそ、製造業DXの本丸だと感じさせられました。


2)メキキバイト(hutzper) ― 外観検査AI

外観検査AIは今や珍しくありません。
しかし本当に難しいのは、「どのように撮るか」「どのように光を当てるか」。

AIは魔法ではなく、正しい条件設計があって初めて機能します。
このサービスは、ハード設計から学習・運用まで一貫対応する“現場理解込みのAI” です。

製造業DXにおいて重要な「IT技術と現場技術の融合」を実現していると感じられました。


3)Pulse Laser Grinding ― 工具の再研磨

切削工具をパルスレーザーで再研磨する技術です。

名古屋工業大学発のベンチャーで、工具を郵送すれば再研磨して返送してくれます。
デジタル技術を利用した仕組みではないですが、
「工具は消耗品」という前提を、「工具は再生資源」という発想がすばらしいです。

このような視点の転換もこれからの製造業に重要です。