品質とは(その1)

「品質とは」と問われると、すぐに答えるのはなかなか難しいです。人によって、立場によっても考え方が異なりますが、
これまで先人たちはどのように考えてきたのでしょうか。

品質に関する考え方をいくつか挙げてみます。
(a) 消費者志向に立って、欠点の有無よりも「顧客満足」に重きを置いた視点
 品質とは、消費者が満足すること。
(b) 実際の使用環境で役立つかどうか。実務的な視点。
 品質とは、使用に適していること(fitness for use)
(c) 時間軸を意識した視点
 品質とは、現在および将来の顧客のニーズを満たすこと
(d) 要求事項への適合に重きを置いた視点(ISO9000)
 品質とは、要求事項を満たす程度

これらはいずれも重要な考え方ですが、やや抽象的で、製品やサービスの品質を具体的にイメージするのは難しいかもしれません。
ここでは、より分かりやすく「品質とは、ユーザーが求めるモノ・コト」と定義します。この考え方を「品質要件」と名付けて下図のように整理しました。

品質要件の構成
●魅力品質
 ユーザーにアピールし、購入動機になるべき品質
●当たり前品質
 ユーザーが当然のように期待する品質
  (1)有って当たり前の品質・・・ユーザーが備わっていると期待する品質
    ① 法律を守ること
    ② 機能として期待される品質
    ③ 暗黙に期待される品質
  (2)無くて当たり前の品質・・・ユーザーが無いと期待する品質
    ④ 負の影響を与える品質

次回は、これらの要素を掘り下げていきます。