品質とは(その2)

前回は、「品質要件」を「魅力品質」と「当たり前品質」の2つで捉える考え方をご紹介しました。
今回はその中でも、「魅力品質」について少し掘り下げてみたいと思います。

この「魅力品質」という言葉は、狩野紀昭先生が『魅力的品質と当たり前品質』という論文で定義した概念に由来しています。
その中で狩野先生は、「魅力的品質」を次のように説明しています。

  「それが充足されれば満足を与えるが、不充足であってもしかたないと受けとられる品質要素」

少しわかりやすく言うと、「あると嬉しい」「使ってみて思わず感心する」といった、プラスの驚きを与える品質のことです。
ユーザーにアピールし、購入動機になるべき品質でもあります。
実際の製品では、「なくても困らないけれど、あると便利」と感じるような機能です。
ユーザーが「こんなの欲しかった!」と思えるような工夫がされている製品は、まさに魅力品質が高いと言えるでしょう。
近年では、ゲームやソフトウェアの分野でこの考え方が注目されています。
また、マーケティングの世界でも「どうすればお客様に驚きや感動を与えられるか」という点で、この魅力品質の考え方が重視されています。

一方、品質保証や品質管理の分野では、「当たり前品質」を確実に実現し、維持することが中心テーマになります。
つまり、当たり前品質が「安心して使える」品質なら、魅力品質は「使っていて楽しい」また使いたくなる品質、と言えるでしょう。

次回は、当たり前品質を考えていきます。