ISO9001を改めて考えてみる その6

ISO9001では、トップマネジメントが品質方針を定め、組織内に伝達し、理解され、適用されることが求められています。
品質方針は、会社として「何を大切にするのか」を示す重要な考え方ですが、実際には「使うもの」ではなく「覚えるもの」になっているケースがあります。


  1. 規格の意図を整理すると
    規格が行っていることは一見すると厳しそうですが、実は言っていることはシンプルです。
     • 会社の方向性に合っていること
     • 目標につながること
     • 守るべきことを守る意思があること
     • 改善していく意思があること
    ⇒ 「会社として何を大事にするかを示せ」という話です。

  1. なぜ長くて不自然な文章になるか
    ① 規格の要求を“全部文章に入れようとする”
     • a)〜d)を全部盛り込む
     • 抜けがないようにする
    ⇒ 結果:長文化・抽象化

 ② 規格の意図を拡張解釈している
  規格は「意思を示せ」と言っているだけですが、
  「具体的に○○をやり続けると書かなければならない」と解釈されがちです。
 ⇒ 不自然な文になる


 ③ 審査対応のための“防御文書化”
  • 突っ込まれないように網羅
  • あいまいに広くカバー
 ⇒ インパクトがなくなってしまう。


  1. 起きていること
    品質方針を印刷して携帯し、審査時にはそれを確認しながら回答する、といった運用になっていることも少なくありません。
    ⇒ 審査対応を目的とした運用になってしまっています。
  2. どうすべきか
    品質方針は、
     • 覚えるもの”ではなく、“使うもの
     • 判断基準になるもの
     • 迷ったときの拠り所になるもの
    です。
    ⇒ トップの考えを現場の判断に反映させるためのものです。

  1. 実務として
    ① 暗記できる長さではなく、日常業務で思い出せる長さにする。
    ② シンプルで、判断に使える現場の言葉にする。
    ③ 「継続的改善」を意識しすぎない言葉にする。
    ④ 形骸化したお題目でなく、日常の判断基準として使われる品質方針にする。
    ⑤トップが品質方針にしたがって、日常の判断をしていく。

品質方針を会社の実際に合わせて、見直してみませんか。