ISO9001を改めて考えてみる その5

ISO9001では、「プロセスアプローチを重視する」とされています。
この考え方について説明を受け、プロセスマップを作った方も多いと思いますが、
作成したプロセスマップはほとんど見られず、「プロセスとして捉える」という考え方も、実際の業務ではあまり活用されていないようです。
なぜ、プロセスアプローチは“説明されたまま”で止まってしまうのでしょうか。


  1. 実際の現場で何が起きているか
    (1) 導入時
     ① セミナーなどからプロセスアプローチを聞いてくる。
     ②プロセスマップを作る
     ③ 「インプット→プロセス→アウトプット」の図を作成
    ⇒ この時点では“それっぽくできている”

(2) その後の運用
  ① 作ったプロセスマップは見られない
  ② 日常業務は従来通り
  ③ 改善活動も個別対応中心
 ⇒ プロセスで管理するという発想が使われていない


(3)内部監査・審査
  ①「プロセスアプローチは理解していますか?」→「はい」
  ② 図を見せて説明 → OK
 ⇒ “説明できること”が評価される


  1. なぜこうなるのか
    ① 抽象的すぎる
     プロセスアプローチは概念としては正しいですが、
     現場の人からすると、「で、何をすればいいの?」
    になりやすい

 ② 既存業務と結びついていない
  問題となる工程の
   • 不良が出る流れ
   • バラつきが出る工程
   • 情報の受け渡しミス
  を“プロセスとして見る”べきですが
  ⇒ そこに紐づけていない


 ③ 成果に直結しないように見える
  現場目線では
   • 検査を増やす
   • 作業を標準化する
  は効果が見えるが
  ⇒ 「プロセスアプローチ」は効果が見えにくい


  1. 本来のプロセスアプローチとは何か
     ⇒ 「不良や問題を“流れ”で見ること」
    です。
     たとえば、問題が起きた時に
       • 加工 → 検査 → 出荷
     といった単純な流れだけでなく、
       • 情報の受け渡しは適切か
       • 前工程のバラつきが後工程にどう影響しているか
       • どこで異常が検知できるか
    を見ること

  1. なぜ“形だけ”になるのか
     ⇒ 「審査で説明できればよい」構造になっているからです。

プロセスアプローチを日常に役立てることを考えて考えてみませんか。