品質改善の現場から 第1回 事実を整理する

品質改善活動を進めていると、どうしても「どんな対策を打つか」に意識が向きがちです。
しかし、本当に重要なのは、対策を考える前に「何が起きているのか」を正しく分析することです。

ある製造現場で過去の不良データを整理していたときのことです。
最初は、
 「受入側の外観基準が厳しくなったため、不良が増えたのではないか」
という話から始まりました。

そこで、不良が流出した原因を、
 ・未発見(欠点を見つけられなかった)
 ・判定ミス(欠点は見つけたが問題ないと判断した)
の二つに分けて分析してみました。

すると、多くの不良は「判定ミス」ではなく、「未発見」であることが分かりました。
つまり、
 「受入側の判定基準が厳しくなったこと」
よりも、
 「不良を発見する仕組みが十分ではなかったこと」
の方が大きな問題だったのです。

もし、判定ミスが多ければ、判定基準の見直しや教育が必要になります。
反対に、未発見が多いのであれば、検査方法、作業手順、作業環境などを改善する必要があります。
同じ不良であっても、原因の捉え方によって対策は大きく変わります。

重要なのは、いきなり対策を考えないことです。
品質改善活動では、どうしても対策を急ぎたくなりますが、
遠回りに見えても、まず現状を正しく分析することが、結果的には最も確実な近道なのだと改めて感じました。