ISO9001を改めて考えてみる その2

ISO9001では、序文 0.1 一般に、「用語を規格に合わせる必要はない」と明記されていますが、
実際には用語を合わせているケースが数多くあります。
その理由を考えてみます。


  1. 審査で“突っ込まれたくない”心理
    用語を規格に合わせておけば、
     ・審査員が理解しやすい。
     ・指摘されにくい。
     ・説明が楽になる。
    逆に用語を自社流にすると
     ・これは規格のどの用語に対応しているのか?
     ・この定義は規格と同じ意味か?
    という説明が必要になります。
    ⇒ 「合わせておけば無難」という意図が感じられます。

  1. 導入時の“型”の影響
    20年~30年くらい前にISOを導入した企業の多くは
     ・社外で作成されたテンプレート
     ・他社の流用マニュアル
    をベースにしています。
    ⇒ これらは規格用語そのままなので、そのまま残り続けます。

  1. 「規格=正しい言葉」という思い込み
    本来は
     ・ 規格は“要求事項”であって
     ・用語はあくまで“説明のための共通言語”
    です。
    ⇒ 「規格の言葉を使う方が正しい」、「変えるとまずいのでは?」という心理が働いています。

  1. 展開の“楽さ”
    用語を規格に合わせると
     ・社外から入手した教育資料がそのまま使える
     ・外部セミナーと一致する
    他の組織との整合が取りやすくなります。
    ⇒ 社内への展開や他の組織との合わせこみが楽になります。

  1. 本質より“形式”が優先されやすい
    本来は
    ・現場に合った言葉で
    ・実際に使われる仕組みを作る
    べきです。
    現実は 「審査に通ること」が優先されて、
     ・ わかりやすさ
     ・現場適合性
    よりも「見た目の規格との一致」が重視されます。

品質マネジメントシステムの軸を、「審査に合格すること」から「自社の実際に合わせること」に移行する時期かもしれません。